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虫歯の分類と治療法

 虫歯は大きく分けてC1〜C4(Cは虫歯の英語:cariesの頭文字からきています)の4つに分類されます。

(1)C1:初期虫歯

 虫歯の一番最初の段階です。基本的には症状はありません。注意深く観察すると歯の表面が少し白濁(白く濁った)ように見えます。
治療法
 治療は特に必要ありません。歯に薬剤(フッ素など)を塗布して経過観察を行います。
適切な清掃と薬剤の作用によって健康的な歯に戻す事が可能です。

(2)C2:中等度虫歯

 虫歯がもう少し進行した状態です。これ以降から歯医者での治療が必要になります。
 症状としては、歯に穴が空いたり、冷たいものが染みたりします。また、食べ物が穴に挟まって痛みを感じたりします。
治療法
 虫歯になっている部分を削って除去する必要があります。その後、虫歯の範囲によってCR(コンポジットレジン)と呼ばれる白い樹脂か部分的な被せ物のどちらかで穴を塞ぎます。CRの場合、即日で終了しますが、被せ物の場合型取りが必要となりますので、2〜3回の通院が必要となります。

(3)C3:重度虫歯

 この段階までくると、虫歯の菌は歯の神経にまで波及しています。症状はなにもしていなくてもズキズキと痛みが出たり、歯ぐきから膿がでたり歯が動くといった多様な症状がみられます。
治療法
 歯の神経(歯髄)が入っていた管の部分の消毒が必要になってきます。歯の根(歯根)の中の汚れている部分をかきだして消毒の薬を入れるという流れの治療(根管治療)を行います。
この治療は平均して3〜4回、約一か月ほど期間がかかります。根管治療後は歯に補強のための土台を入れて被せ物になります。ただし、根管治療を行っても症状が改善しない場合は抜歯となる可能性もあります。

(4)C4:末期虫歯

 虫歯によって歯が崩壊して根だけになった状態です。症状は重度虫歯と同じか、さらに進行して周りの骨や歯茎を壊死させてしまっているため、逆に無症状のときもあります。
治療法
 この状態まで至ると、歯はほとんど残せません。残念ですが、抜歯の適応となります。

歯周病治療

 歯周病は日本国民の多数が罹患しているといわれる疾患で、生活習慣病のひとつです。また、歯を喪失する原因の4割を占めており、今現在、最も多い原因となっています。

(1)歯肉炎

 歯ぐきが赤くなっており、歯ブラシ等で出血してきます。
治療法
 適切なブラッシングを行い、口の中の歯垢(プラーク)を除去することにより、改善します。

(2)歯周病初期

 歯肉炎の症状に加え、歯の表面に付いていた歯垢や歯石が歯茎の下の歯の根にも付着していきます。
治療法
 歯科医師や歯科衛生士による専門的な処置(歯周基本治療)が必要になります。

(3)歯周病中等度

 さらに進行すると、歯を支えている周りの骨が溶けてなくなってしまうため、歯がグラグラしてきます。また、歯ぐきが常に炎症を起こしているため出血だけでなく膿も出てくる可能性があります。その影響により、口臭を感じることもあります。
治療法
 上記の歯周基本治療後の検査結果に基づいて、レーザー治療や歯周外科処置など追加の処置が必要となります。追加の処置は主に歯科医師が行います。

(4)歯周病重度

 歯の周りの骨がほとんど溶けてなくなってしまった状態です。歯は歯ぐきとかろうじてくっついているだけですので、自然に脱落してしまうこともあります。
治療法
 残念ですが、基本的に抜歯の対象となります。ただし、歯周治療が奏功すると残せるかもしれません。

歯周基本治療

 歯周基本治療とは、歯周病の原因となるもの及び歯周病を誘発させるような因子を排除する治療法のことです。
 主な治療として下記の5つがあります。

 歯周病の原因はお口の中にいる細菌です。そして、細菌は歯に付着している歯垢(プラーク)を餌として増殖していきます。そこで、適切なブラッシング方法を身につけて実践していくことが最も重要になってきます。
 自己流の磨き方では、磨き残しが必ずあります。歯科衛生士によるブラッシング指導を行います。また、歯ブラシで磨くだけではどれだけ丁寧に磨いても全体の6〜7割ほどしか除去できません。残りの汚れを取るためには補助器具であるデンタルフロスや歯間ブラシの使用が必須となります。
 プラークコントロールによって適切な口腔内清掃方法を獲得できても、一度硬くなってしまった歯石や歯ぐきの下の汚れは除去できません。そこで歯科医院において、歯科衛生士や歯科医師によって除去する必要があります。それがSRPとよばれる処置です。超音波による除去器具や歯周ポケットに入り込む細い器具など専門的な器具によって施術していきます。
 歯周病の原因は冒頭にも述べたとおり細菌です。しかし、局所的に噛む力の強い部分は歯や歯の周りの組織が恒常的に弱っているため歯周病を誘発する要因となります。そのため、そのような部分を選択的に削合しバランス良く歯が接触するようにします。
 歯周病が進行して歯がグラグラになっている場合、歯ぐきは常に揺れている歯にひっぱられているため炎症が治まりにくいときがあります。そのような場合には、揺れている歯を両隣の歯と接着剤にてくっつけて揺れを抑えます。
 歯周病治療のページにおける歯周病重度の歯がお口の中に存在している場合、その歯自体が細菌の温床となっています。そのような場合、周りの歯を守るためにも抜歯を行います。


親知らず

(1)親知らずとは

 親知らずとは、一般的に一番最後に生えてくる奥歯のことです。第三大臼歯、八番、智歯とも呼ばれます。

(2)親知らずはなぜ抜く必要があるのか?

 現代の人は昔の人に比べて顎が小さくなっています。その為、親知らずが斜めに生えたり、横向きに生えたりします。
 その結果、下記のような弊害を引き起こす可能性があります。
  • 親知らずもしくは手前の歯が虫歯になる
  • 周囲の歯ぐきが炎症を起こして腫れる
  • 手前の歯を押すことによって歯並びが悪くなる

(3)親知らずを抜く方法

 真っ直ぐ生えている場合は特に問題なく抜くことができます。
 斜めや横向きに生えている場合は、歯ぐきを切開したり骨を削ったりするときがあります。また、下の顎の場合、親知らずの根っこが下歯槽神経と呼ばれる太い神経に近い時がありますので注意が必要になってきます。基本的には、当院にて抜歯を行いますが、患者様の全身状態や先程の神経との位置関係によっては提携している大学病院や市民病院の口腔外科を紹介させていただく場合があります。

根管治療

 根管治療とは、虫歯の細菌が歯の神経まで至ってしまった場合に行う治療法です。厳密には、抜髄(歯の神経を取る処置)と感染根管処置(歯の根の先にたまった膿を取る処置)の二つに分類されます。

(1)抜髄

歯の神経(歯髄)に達するほどの大きな虫歯(C2もしくはC3)になってしまった場合、歯髄は細菌によって汚染されてしまいます。そうなってしまった場合、歯髄は細菌の温床となってしまうため、除去する必要があります。歯髄を除去後、歯髄と接していた歯の内面も汚れているため、除去します。

汚染された歯髄及び歯の内面を機械的に除去した後、消毒の薬を入れて科学的にも清掃していきます。このような処置を平均して4〜5回、概ね一ヵ月ほど行います。

根管内の清掃と消毒が終わったら、樹脂でできた充填剤を入れて根管治療は終了です。その後、問題なければ土台を立て被せ物になります。

(2)感染根管処置

感染根管処置は歯根の先に溜まった膿を除去する治療です。抜髄と処置内容は似ていますが、治療の対象となる部位が少し異なります。抜髄の場合、歯髄は細菌に汚染されていますが多少機能していることが多いですが、感染根管処置の場合、歯髄は基本的に機能が停止していることがほとんどです。一般的に言う「神経が死んでいる」状態です。

抜髄と同様に、汚染された組織を除去します。

消毒の薬を入れるところも一緒です。ただし、抜髄の場合は消毒の部位は根管内ですが、感染根管処置の場合それに加えて膿の溜まっている部分も消毒の対象です。

樹脂でできた充填剤を入れて終了です。ただし、抜髄と異なり膿が出てくるのが止まったのを確認してからになりますので、抜髄より治療回数がかかることもあります。

CR(コンポジットレジン)

 CRとは虫歯の治療後、削った穴に詰める治療法のことです。基本的に、保険の範囲内の治療となります。

  • 長所
    • 歯に接着するため、歯は最小限の切削で済む。
    • 虫歯を除去後、その日に充填するため治療回数が少ない。
    • 基本的に保険治療となる。
  • 短所
    • 虫歯が広範囲にわたる場合、強度の点から適応不可能であること。
    • プラスティックに似た材質であるため、経年劣化により脱落したり着色したりすること。特にコーヒーや赤ワイン、カレーなどを習慣的に摂取する人は着色しやすいです。

部分的な詰め物(インレー)

 インレーとは、部分的な虫歯の場合にその部分を削り取り、つける被せ物のことです。
 一般的に保険適用されるインレーのことをメタルインレーと呼びます。


虫歯になった部分を削り、
形を整えて型取りをします。

銀の被せ物をつけます。

メリット

 保険が適用できる治療となります。
 また、金属でできているため、強度が高く丈夫です。

デメリット

 金属の成分が溶け出して金属アレルギーの原因となる可能性があります。
 また、その溶け出した金属によって、周囲の歯ぐきが着色したり、歯との間に隙間ができて再び虫歯になることがあります。
 金属部分が反射などで光り、目立ってしまうため見た目がよくありません。

被せもの(クラウン)

 クラウンとは、神経を抜いた歯や虫歯が広範囲に及び部分的な処置(CRやインレー)では対応困難な歯に対して、歯全体を覆うような被せ物を指します。
 一般的に保険適用されるクラウンのことをメタルクラウン(金属冠)と呼びます。(前歯の場合、表面のみ白くなります)


虫歯の治療(根管治療)が終了した後、
歯に土台を立てます。
その後、型取りを行います。

銀の被せ物をつけます。

メリット

 保険が適用できる治療となります。
 また、金属でできているため、強度が高く丈夫です。

デメリット

 金属の成分が溶け出して金属アレルギーの原因となる可能性があります。
 また、その溶け出した金属によって、周囲の歯ぐきが着色したり、歯との間に隙間ができて再び虫歯になることがあります。
 金属部分が反射などで光り、目立ってしまうため見た目がよくありません。

歯を失った場合

二度と生えてこない歯を失うことはとても残念なことです。
しかし抜けたままに放置すると残っている歯に様々な問題がおきてしまいます。
あなたのお口の健康を守るために、納得できる治療法で早めに修復治療を受けましょう。

修復方法
ブリッジ

良い

  • 固定されるため、治療後の違和感はあまりない
  • 修復材料によっては治療したことがほとんど判らないようにできる

考慮

  • 支えに使う健康な歯を削る
  • 支えの歯に大きな負担がかかる
  • 修復物と歯ぐきとの間が汚れがたまりやすい

その他

  • 保険治療の範囲内で修復可能。ただし作ることができるブリッジに限りがある
  • 天然歯に近い色調にできるセラミックスや、かみ合わせたときのあたりがより天然歯に近い貴金属による修復は、自由診療の対象
  • 自由診療の費用は、使う材料等により幅がある
義歯

良い

  • ブリッジによる修復ができないような場合でも対応できる
  • 健康な歯を削らずにすむ
    (バネで固定する)

考慮

  • バネによって支えの歯に負担がかかる
  • 3〜4割ほど噛む力が低下する
  • 取り外し式である
  • 入れたときの違和感が強い
  • バネや床の下に汚れがたまりやすい

その他

  • 保険が適用される
  • バネや床、人工歯を作る材料によっては自由診療になる
  • 義歯の使用に慣れるためには少し時間がかかる
インプラント

良い

  • 1本から多数歯の欠損まで適用範囲が広い
  • 顎の骨に直接固定するので、噛み心地が変わらずしかも良く噛める
  • 健康な歯を削らずに済む
  • 見た目では修復したということがほとんどわからない
  • 噛む刺激が顎の骨に伝わり、顎の骨がやせない

考慮

  • 人工歯をのせる土台となるインプラントを埋め込む手術がある
  • インプラントができない全身疾患やお口の状態がある

その他

  • 保険適用外の治療法である(自由診療)
  • 埋めるインプラントの本数や手術の難易度により費用は異なる
  • いつまでも良い状態でインプラントを保つには、日頃からのブラッシングによるプラークコントロールと、定期的な歯科医院でのチェックとお手入れが必須です

歯科医院での定期診療を忘れずに行いましょう!


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